高校英語について思うこと

　高校英語には一般に、英語表現（文法）とコミュニケーション英語（リーディング）があります。英語の4技能（読む・聞く・書く・話す）をバランスよく高め総合的な英語能力を身につけることが目標になるのだと思いますが、実際はどうでしょうか。

■「表現」で扱う文法は、細かい所まで網羅され素晴らしいです。しかし、量的にも質的にも一度で理解できるものではありません。

　そのため、テストで点数を取るために丸暗記することになります。暗記自体はいいことなのですが、テストが終わると忘れてしまうことが多いのです。

　けれども、学校では、もう理解できているという前提で、どんどん進んでいくので、「文法が全然わからない…」「もう一度最初からやりなおしたい…」ということになります。

■「コミュ」の内容は、文章レベルもテーマも高校生が学ぶのにぴったりです（当然ですが…）。文章の中に、重要文法も重要単語もたくさん出てくるので、しっかり理解して覚えれば相当力がつくと思います。しかし、こちらもテストで点数を取るには丸暗記が必要になり、テストが終わると忘れるといった非常にもったいない状態になります。

　さらに、速単・シス単などの単語集、多読用のリーディング課題、英検やGTECなどの英語資格試験などもあり、総合的な英語力を身につけるためとは言え、やることが多くなりすぎている気がします。

　私が塾で高校生を指導するうえで大切にしたいのは、暗記したあとしっかり理解して消化することです。短期記憶で終わらせず、長期記憶にして、自分のモノにする。「表現」で学んだ文法がどういう形で、実際の文章に使われているのか。「コミュ」で覚えたフレーズや単語を、自分の英作文やスピーキングで使えるか。

　さて、学年末テストでの、当塾の高校生達の頑張りは目を見張るものでした。やればできるという手応えを感じたのではないかと思います。

　ほっと一息つきたいところではありますが、1年の終わりのこの時期、私は塾生達に、学んだ文法や単語を自分の中で消化して、1段階も2段階もレベルアップしてもらいたいと強く願って授業を組み立てています。そうして身についた英語力は、学テや模試、さらには大学受験に繋がっていきます。なにより、英語がおもしろいと思ってもらえると思います。